SpamPal + ArGoSoft Mail Server Plus
〜お手軽スパムフィルタの構築〜

WEB上などで自分のメールアドレスをオープンにしていると、ある日突然やってくる海外からのスパムメール。
最初は一日に数通であっても、日に日にその量は増えていって気付けば一日に数百通ものスパムメールが届くということもそれ程珍しくない話です。
こうなってしまうとメールの受信にも時間がかかってしまうばかりか、重要なメールを誤って削除してしまうという事態も起こりかねません。
そこで、SpamPalというフリーのフィルタソフトとArGoSoft Mail ServerのPlusバージョン(Proでも可)を組み合わせて強力なスパムフィルタを構築する方法を紹介します。

※この記事は既にArGoSoft Mail ServerのPlusバージョンがインストールされていることを前提としています。
※Proバージョンをご使用の場合はスパムチェックを行うプラグインが多数公開されておりますので、そちらの利用を推奨します。
※この記事ではArGoSoft Mail Server Plusを利用していますが、Subjectヘッダのフィルタリング機能があるメールサーバーであれば
  ArGoSoft Mail Server Plus以外のメールサーバーでも、ここに書かれている方法で理論的にフィルタリングすることが可能です。


・最初にArGoSoft Mail Server Plus(以後ArGoSoft Mail Server)のSMTPのポート設定を変更します。

  ArGoSoft Mail Serverを起動させ、Tool→Optionsを開きます。
  

  Optionsというウインドウが現れたら、Portsというタブを開いてSMTPのポート番号をデフォルトの25以外にします。
  
  
上の画像では26番に変更しています。
  設定変更が完了したらOKボタンを押してOptionsを閉じます。

  ポート番号の変更が完了したらFile→Stop , File→Stertの順番でArGoSoft Mail Serverを再起動させます。
  
 
 ※ここからSpamPalの設定が完了するまでArGoSoft Mail Serverに外部からメールは届きませんのでご注意ください。

・続いてSpamPalの各設定を行います。

  まず最初にSpamPalをArGoSoft Mail Serverが動作しているシステムにインストールします。
  公式サイト
http://www.spampal.org/よりダウンロードして適当な場所に解凍します。
  
プラグインがバンドルされたバージョンとされないバージョンがありますが、この記事上ではバンドルされないバージョンを利用します。

  解凍したフォルダの中にあるピンク色の傘のアイコンをクリックしてSpamPal起動させます。
  

  SpamPalが正常に起動するとタスクバーにピンク色の傘のアイコンが現れます。
  そのアイコンを右クリックしてOptionsを開きます。
  

  SpamPal Optionsというウインドウが開きます。
  

  @まず最初にConnectionsの設定を行います。

  SpamPal Optionsウインドウの左側のツリーからConnectionsを選択してConnections,Ports and Protocolsを開きます。
  

  Connections,Ports and Protocols内のRemove Portボタンでデフォルトで設定されているPOP3の設定を削除します。
  

  続いてConnections,Ports and Protocols内のAdd Portボタンを押してPort Propertiesウインドウを開きます。
  

  SettingsタブのPort TypesからSMTPを選び、Server Nameに"ご自分のドメイン:ArGoSoft Mail ServerのSMTPポート番号"を入力します。
  
  
上の画像ではArGoSoft Mail Serverがzeratinman.netというドメインのメールサーバーとして動作していることとして
  
最初にArGoSoft Mail ServerのSMTPポートを26番に変更しているので、"zeratinman.net:26"と入力しています。

  Settingsタブの設定が完了したらSecurityタブの設定に移ります。
  

  Securityタブ内のAccess Controlボタンを押してPort Access Controlウインドウを開きます。
  Port has its own access control listを選択し、Port's Access Control Listに"0.0.0.0 - 255.255.255.255"と入力します。
  
  入力が完了したらCloseボタンを押してPort Access Controlウインドウを閉じます。

  続いてSecurityタブ内のRelay Permissionsボタンを押してSMTP Relay Permissionsウインドウを開きます。
  Local Email AddressesにArGoSoft Mail Serverで運用しているメールアカウントをドメインまで正確に入力します。
  
  
上の画像ではuser1 user2 user3という3つのメールアカウントがArGoSoft Mail Serverで運用されていることとして
  
user1@zeratinman.net user2@zeratinman.net user3@zeratinman.netの3つのメールアドレスを入力しています。
  入力が完了したらCloseボタンを押してSMTP Relay Permissionsウインドウを閉じます。

  最後にPort Propertiesウインドウ内のOKボタンを押してConnectionsの設定を終了します。

  A次にBlacklistsの設定を行います。

  SpamPal Optionsウインドウの左側のツリーからBlacklists内のPiblic Blacklostsを選択してPiblic Blacklostsを開きます。
  各スパムブラックリストの一覧から利用したいスパムブラックリストを選択します。
  
  
上の画像ではデフォルトのままにしてあります。

  続いてBlacklists内のCountriesを選択してBlacklisted Countriesを開きます。
  各地域の一覧から受信を拒否をする地域を選択します。
  
  
上の画像では全ての地域からの受信を許可するように全てのチェックを外しています。

  B次にIgnore Listsの設定を行います。

  SpamPal Optionsウインドウの左側のツリーからIgnore Lists内のProvidersを選択してProviders to Ignoreを開きます。
  各無料メールサービスの一覧からスパムチェックを行わないサービスにチェックを入れます。
  
  
上の画像では全ての無料メールサービスをスパムチェックの対象とするように全てのチェックを外しています。

  C次にMessage Taggingの設定を行います。

  SpamPal Optionsウインドウの左側のツリーからMessage Taggingを選択してMessage Taggingを開きます。
  Mark subject lines of spam massagesにチェックが入っていることを確認してスパムメールであった場合に件名ヘッダに追加する文字列を入力します。
  
  
上の画像では送られてきたメールがスパムであった場合、件名に"++SPAM@SPAM++"という文字列を追加するように入力しています。

  D次にAdvancedの設定を行います。

  SpamPal Optionsウインドウの左側のツリーからAdvanced内のLAN Configurationを選択してL.A.N. Configurationを開きます。
  I.P.AddressにSpamPalが外部からの通信に用いるネットワークアダプタのIPアドレス(固定する必要があります)を入力します。
  
  
上の画像ではIPアドレス999.999.999.999でインターネットに接続されていることとして"999.999.999.999"と入力しています。
  
※ソフトPPPoEを利用したインターネット接続をしていて、SpamPalがソフトPPPoEを実行しているマシーンにインストールされている場合
  
ここに用いるIPアドレスはソフトPPPoEが利用する仮想ネットワークアダプタのIPアドレスとなります。
  
つまり、上記接続環境ではISP側から割り振られるIPアドレスが固定でなければなりません。

  続いてAdvanced内のAccess Controlを選択してAccess Control Listを開き、"0.0.0.0 - 255.255.255.255"と入力します。
  

  以上でSpamPalの設定は全て完了しました。
  SpamPal OptionsウインドウのOKボタンを押して設定を終了させます。

・最後にArGoSoft Mail Serverのフィルタの設定を行います。

  ArGoSoft Mail Serverを起動させ、Tool→Filtersを開きます。
  

  Filtersというウインドウが現れたら、SpamPalのMessage Taggingの設定で入力したスパムメールの件名に追加する文字列を入力します。
  
  
上の画像ではSpamPalのMessage Taggingの設定入力例の画像で入力した"+++SPAM@SPAM+++"を入力しています。
  入力が完了したらOKボタンを押してFiltersウインドウを閉じます。

  フィルタの設定が完了したらFile→Stop , File→Stertの順番でArGoSoft Mail Serverを再起動させます。
  

  これで準備完了です。
  貴方のArGoSoft Mail Serverに送られてくる全てのメールはスパムブラックリストによるチェックを一度受けた上で受信され、
  スパムメールは自動的にArGoSoft Mail Server上で削除されます。

 

//ソフトPPPoE接続でも、プロキシを用いてSpamPalが外部との通信に用いるIPアドレスを擬似固定することで
//非固定IPアドレス環境下での運用も可能となります。
※Stone は 仙石浩明 氏のパケットリピーターです。

 

2005年10月30日 更新
2004年10月20日 更新
2004年04月13日 公開

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